二つ股に分かれた木の根っこの、真ん中にドアはついている。
ここに初めて訪れたのは、マリーが最初だ。
前後、脈絡もうすでに覚えていない。
鑑定の途中に、二人して透視しているような感覚だし。
年に何回か、私は喉の調子を崩す。
応接間セットと、シャンデリアをイメージで出したとき辺りから
彼女は突然覚醒した。
「黒の子は元気かい?と言ってました」
?
「私の事は、白の子と呼んでいた・・・・。
どうやら、ここではそう言われているらしい・・・。
私の髪は銀髪で、ストレートヘアでした。
魔女のお家で、恨めしそうにしゃがれた声で・・・・。
綺麗な髪だねぇ・・・・」
って撫でるから、ひと房くれてやったと言った。
魔法でウイッグにして、嬉々として
出かけたと言う。
ガラガラ声の私に・・・。
尚も、マリーは続けた。
「あ・・・若い声欲しいって言ってた・・・・。
後で、ちゃんと返すから・・って」
(え・・・この声魔女に拝借されてこんななの?)
「サバトでも行くんじゃないですかぁ?
同窓会があるって言っていましたよ~
満月過ぎたら治るんじゃないですかぁ?」
「え?私の声を借りていったの?
あのくそ婆ぁーこの声、どうしてくれるのよ!」
オカマ声の濁声で、どうにもこうにも仕事に支障が出ていた。
こうしちゃいられない。
「二股の幹ね?これね?このドアね!」
早速私も出かけて行って・・・、古今東西の
お宝を、拝借してきた。
マリーも続けた・・・。
「あぁーあ、エリーったらバズーカで、ドアぶち破った」
オーロラ色の龍のウロコは覚えている。
あとは、なんか適当に持ってきた瓶の中に
小さな魚が入っていたので・・・術に使わせてもらった。
タンカーが重油漏れた時・・・・。
ゴム長履いて、海掃除したときだ・・・・。
卵も持ってきた、金のグリフォンに孵った。
ドラえもんのぴーすけだ・・・・・。
フェアリー入りの箱と、パールに書物とか・・・。
だったみたいだ・・・。
2018年1月~2月くらいだ・・・。
鑑定ノートに記されている。
しっかり書き記しておくんだった・・・。
(綺麗に・・・)
はたして私は、満月過ぎに声を取り戻したのだった・・。
同窓会が終わったらしい・・・。
魔女の・・・・・。
こんな事も、たまに・・・ある・・・・みたいだ。